ここでは鍼の効果のメカニズムについての院長の考えを なるべくわかりやすく説明していこうと思います。
もともと人の体には「自然治癒力」というものが備わっています。これは「免疫」とか「抵抗力」とかといいかえてもよいでしょう。
例えば風邪をひいたとします。
咽が痛くなったり、発熱したり、下痢をしたりと様々な症状がでます。
しかし、特に薬などを服用しなくても自然に治っていきます。
一生風邪が治らないという人はいません。
また、転んで膝などを擦りむいたとします。
これも自然に傷口にカサブタができ、時間が経てば治っていきます。
これが「自然治癒力」です。
しかし、現代ではこの自然治癒力が弱っていたり、 うまくこの力を発揮できない人が大勢いらっしゃるのです。
この自然治癒力の低下の原因は様々です。
仕事や家事での疲労の蓄積、人間関係や日常生活でのストレス、 心配事があるなどの心の負担なども原因の一つです。
さて、鍼灸治療はこのような自然治癒力が低下した身体に
「ツボ」というものを通じて刺激を加えます。刺激を加えるのは弱っていたり、 逆にエネルギーが余っていたりするツボを目標とします。
このようなツボは抑えると気持ちよかったり、痛かったりします。
ツボというものは全身で800以上あり体の表面はもとより筋肉や内臓器官まで 細かく連絡しています。
そして弱っているツボに対しては「補法」《ほほう》という手段で 「気」を補っていきます。
また、「気」が過剰になっているツボに対しては 「瀉法」《しゃほう》という手段で調節をしていきます。
このように鍼でツボに刺激をあたえ、気の流れのバランスを調整していくことで 体内の血液の流れやリンパの流れ、自律神経の過度な緊張が調整され それにより低下していた自然治癒力が活性化していくのです。
つまり、鍼治療という治療法は、 からだに元々備わっている「治す力」を 充分発揮できるようにサポートしていくということになります。
自分自身のからだを治すのはあくまでも自分自身の自然治癒力なのです。鍼灸治療に限らずお薬の治療も同じです。
からだ自体の「治す力」が不足していれば どんなに良いお薬を使ってもその効果は期待できないことになるのです。
自らの持つ治す力を強化する。
このことが大切だと思うのです。